居住者特性からみたハウジング研究

日本の住宅事情

1節全国的スケールでみた住宅事情

住宅の種類ごとに居住者の特性をみる前に,以下では,おもに住宅統計資料
を用いて日本の住宅状況について概観する。住宅統計資料は,国勢調査と違っ
てサンプル調査であり,都市内の詳細な分析はできないが,住宅状況に関して
都道府県単位や都市圏レベルでは概観することが可能である。

1.住宅状況
住宅数の推移をみると,住宅数は世帯数の伸びを上回って増加しており,量
的には充足されている。総世帯数及び総住宅数の増加は人口総数との比較から
すると,両者の伸びは人口総数の増加率をはるかに上回るものであり,今日の
総住宅数の増加は核家族化がもたらしたことも大きな原因のひとつであると
いってもよい。

地震はいつあるかわからないので、対策は早ければ早いほど良いでしょう。家 高く売る ←こちらのサイトでは不動産関連情報を取り揃えております。

地域別に空き家状況’)についてみると,全国平均9.4%と比較して大都市地
域は9.2%と低い。しかしながら大都市地域間の差異が大きく,近畿地方が関
東地方より高く,とくに関東地方の臨海地域8.2%,東京都8.5%に対して,
大阪府では11.0%と高い。『平成2年空き家実態調査』(建設省住宅局)によ
ると,空き家のうち60.2%は民営借家であり,そのうち木造の一戸建て・長
屋建ては37.9%,木造共同住宅は44.2%であった。さらに,『平成5年住宅
統計調査』によると,これらの空き家の水準は非常に低く,老朽度が高い上に
借家の平均延床面積(居住室のほか玄関,便所,台所などを含めた床面積の合
計)は30.8m2と狭く,戸建て住宅平均の118.74m2に比べて4分の1強の狭
さである。また,木造共同住宅のうち83.6%は浴室なし・便所共用の状況が
示すように,設備の面でも居住水準が低く,利用不能なものが38.9%も占め
ている。

EA023_L


居住者特性とその変化

女性世帯や子持ち世帯に対す
る入居差別の実態を明らかにするだけではなく,大都市内部において民間賃貸
住宅市場の中で住居を見つけることが困難な母子世帯や高齢者世帯の住居問題
に発展させて,ジェンダーの観点や高齢者問題との関係から住宅問題にかかわ
る制度的問題や都市構造や産業構造の変化と,それらの問題とを関連させて考
察することは,今後の地理学的ハウジング研究に求められる。

今後の地理学の課題として,第1に,従来住宅の種類ごとにサブマーケット
別に研究対象とする事から発展させ,都市内における住宅市場を一括して取り
あげることにより,都市構造の変動全体に関わる住宅市場の動向を総合的に把
握することである。第2に,都市の内部システム研究のなかに居住およびハウ
ジング研究を位置づけ,例えば郊外住宅団地の開発が都市内におけるそのほか
の住宅市場とどのように関連性をもつのか,開発主体がどのような意図のもと
に開発行為を行い,都市住民の居住地選好がどのようになっているのかなど,
都市の内部システムを構成する諸要素の関連性からアプローチすることが必要
と考える。

以上の議論をふまえ,以下の本論では,具体的研究事例を通して住宅のサブ
マーケットごとに居住者特性とその変化を明らかにし,現代の都市がいかに民
間と公的な住宅供給によって形作られたり変容したりしているのかを,居住者
の側面から解き明かしてみたいと考える。

業者は上手に使い分けましょう。その他の不動産関連情報は←こちらからどうぞ。

注)
1)社会的剥奪とは,建造物環境の物理的荒廃とともに低層の居住者が流入すること
により,社会階層の低下が引き起こされる。そのような居住者の社会的な下方への
変化による社会的荒廃が進行することを示す。
2)平山(1993)によると,アフォーダプル住宅とは適切な負担で居住可能な良質の住
宅のことをさす。

EA022_L


住宅供給や消費の現象を取り巻く

このような状況において,高野(1994,1995)は都市内の地域構造がどのようなメカニズムの
なかで変容したのかを明らかにしようと試みた。また社会学や建築学などの隣
接分野に比べても,地理学がハウジングに対するアプローチに積極的であった
とはいえず,わずかにあるハウジングに関する都市地理学的研究においても引
用・参考文献には,都市計画学や建築学などの隣接分野のものが多い。

普段は遊び道具でも緊急時には非難用具になる設備もあると安心です。←こちらではさまざまな不動産を見られます。

サブマーケットごとに研究事例をみると,中心都市でのジェントリフィケー
ション研究には,都市内での産業構造の転換や住宅市場にかかわる制度に潜む
問題性を指摘することにより,イデオロギー的な背景が強く出ているが,開発
プロセスや販売・消費行動に都市政治が極めて強く反映されているはずの
ニュータウン研究には,まだそのような傾向が弱い。郊外化と性別分業化との
関連などについて,わが国の地理学ではフェミニズム地理学からのアプローチ
はまだみられず,時間地理学の分野で触れられる程度である。住宅開発地の立
地位置の選択や多種類の住宅を混在させるか否かなどの開発方式,供給価格に
よる入居者の選別,ひいては都市の交通システムと連動させた大規模な都市再
構造化に,いかに住宅供給を関連させて都市経営が行われているのかなど,都
市政治との関連からアプローチする試みは十分研究余地が残されている。
また,住宅供給や消費の現象を取り巻く制度的・経済的諸要因についての考
察も十分とはいえない。例えば,公営住宅研究においては福祉にかかわる都市
行政がもたらせた政策による弊害に触れなければ,高齢者世帯や母子世帯など
の滞留化を説明することができない。とくに,社会学の分野では渋谷
(1986,1996)が産業構造や都市構造などのさまざまなレベルにおけるリストラクチャ
リングとジェンダーとの関連について触れ,都市空間における「女性の貧困
化」をジェンダーの切り口から取り組んでいる。

EA020_L


地域類型を世代間の比較などにより検討

田中(1994)はパネル・データを作成して移動経歴のグラフを分析し,移動
前後の地域類型を世代間の比較などにより検討しているが,残念ながらピック
ルス・デーヴィー(PicklesandDavies;1985)の分析したような住宅経歴
(housingcareers)については,深く議論されておらず,ハウジングとの関
連ではアプローチされていない。また,片瀬ほか(1984)は企業の住宅政策と
工業従事者の居住地移動を関連させて検討することを試みたが,この観点は
ゲート・キーパーを扱った制度論的枠組みによるアプローチに立つものといえ
る。さらに清水(1994)は外国人就学生という特殊なサンプルの居住地移動を
住宅探索における制約条件とエスニック問題とを関連させて分析した。

地震列島日本では建物を建てる時、必ず地震を見越した設計をする。各種不動産知識は、←こちらをご覧ください。

このように都市内の居住地移動をハウジングと関連させて捉えようとする試
みは,居住地移動に対して強く影響を与える住宅市場を捉える必要性を主張す
るものであり,また誘因となる家族のライフステージの変化やそれに対応した
世帯の居住地選好の変化など,都市内部における諸要素の連関システムから捉
えた幅広い観点からのアプローチが要求される。

地理学におけるハウジング研究の課題

これまでみてきたように,都市地理学におけるハウジング研究は商業などの
他の機能の研究に比べて決して研究の蓄積が多いとはいえない。とくにわが国
の都市地理学では居住地域に関する研究は,都市の内部構造研究の一部として
みられる傾向にあり,その居住地域の形成や変容に関する要因やメカニズムに
ついて検討することはほとんど行われてこなかったといえる。

EA021_L


都市内居住地移動研究

空き家連鎖(vacancychain)についての検証は,ミラー・ロムサ
(MillerandRomsa;1981)などによっても試みられた。また,フォード・ス
ミス(FordandSmith;1981),スミス・フォード(SmithandFord;
1985)は公営住宅市場内における都市内住居移動が空き家連鎖の中で行われる
が,それらの移動が制度的制約のなかで限定的に行われていることを明らかに
した。

更に詳しく調べるなら、←こちらがお勧めです。

前述のジェントリフィケーションにおいて,都市内居住の再評価が原因とし
てあげられていたこととも関係するが,居住地選好においてハウジングに対す
る文化的差異が反映する。例えば森川(1988)は,「フランスや南ヨーロッパ
では今日でもインナーシティのアパート居住が好まれる」(p.694)とし,近
年のアメリカ合衆国での反都市化との関連で居住面の生活様式の違いを指摘し
ている。

わが国では,住宅供給の地域的状況と都市内居住地移動との関連から捉えよ
うとした地理学的研究の事例はみられないが,居住者特性からみた地域構造と
都市内居住地移動との関連から分析した事例として斎藤(1977,1979),加藤
(1980),森(1980),村山(1985),由井(1987,1989)などがあげられる。こ
れらの研究では住居や地域住民の属性などに着目し,集計レベルで人口移動パ
ターンと都市構造との関係の解明を試みたものである。

ハウジングとの関連からみた居住地移動研究では,斎藤(1982)が住居の種
類別にみた住宅市場により居住地移動が異なるパターンを示すことを明らかに
したが,そこでは住宅の需給に対する視点が欠けている。このように,わが国
においてハウジング研究と都市内居住地移動研究との関連から分析を試みた地
理学的研究が少ないのは,行政側の作成した資料が住宅供給と都市内居住地移
動のいずれに関するものもほとんど無いためであるという,資料的制約による
ところが大きい。

EA024_L


住宅産業

高気密・高断熱住宅においては、換気と同時に室内での水蒸気の発生を抑えるように指導され、個別暖房より全室暖房を、間仕切りの多い室内から開放型へ、更にオール電化住宅へ、などと宣伝されている。確かにガスを使わない炊事は、水蒸気の発生を少なくすることができる利点があるが、水蒸気と結露のメカニズムを知っている住宅メーカーのセールスマンはいないと言っても過言ではない。高気密・高断熱住宅の一般への普及が遅れている原因は、金がかかるということではないだろうか。地震が起こってからでは遅い。建物設備の地震に向けた先行投資なら、←ここから情報を探せます。施工業者においても、積極的に取り組む姿勢がないのは、研究心に乏しく施主側を説得する知識に欠けていることと、施主側の注文を優先することで受注契約を締結することしか頭にないからであろう。プロ意識というのは、何もプロスポーッだけの問題ではない。プロのスポーツ選手は、チームが勝つために、苦しい練習に耐え、技術を磨き、お金を払って見に来てくれる観客に感動を与えるプレーをするために努力を重ね、その結果として個人の成績も向上するものである。今日の住宅産業の中では、売り上げ至上主義が主流となっていて、プロ意識を持った人は少ない。それなりの販売成績を上げているセールスマンでさえ、専門的な質問をすると、納得できる返答は返ってこない。また、常設展示場で、つっこんだ質問をしても、あやふやな答えしか返ってこないのが現状である。

EZ033_L


伝統建築

我が国の伝統建築の代表的なものと言えば、木造軸組に竹を縄で編んだ小舞に藁を入れて練った土を張り込んでいくもので、この土壁は荒塗り、中塗り、仕上げ塗りと各段階で乾燥させてから塗り重ねていくので、壁の厚さは五センチ以上になる。蔵造りは、この土を使って軸組の外側にも、何重にも塗り重ねるもので、壁の厚さは三○センチ以上にもなる。これに似たものとして、中近東などでよく見られる日干しレンガを積み重ねた家がある。いずれも土の持つ断熱性を利用したもので、この点から言えば、省エネ住宅の代表的なものと言えるのではないだろうか。但し、日本の民家と言われるものは開口部が大きく、この部分からの熱損失が大きい。兼好(けんこう) 法師の「徒然草(つれづれぐさ) 」にあるように、「夏を旨とすべし」との考えから、風通しのことを考えれば開口部は大きくとる必要があったのではと思う。昔の住まいは、縁側に戸がなかったり、戸があってもガラスの代わりに障子紙であった場合には、雨や雪から守るために雨戸が取り付けられていた。箪笥などは危ないとされているが、上手に固定すれば逆に家の強度が増し、重要な役割を果たす。←その他役立つ情報はこちらから。アルミサッシになっても雨戸付きのものもあるが、最近では開け閉めに手間がかかることもあって、取り付ける住宅は少なくなった。雨戸は、冬の寒風による熱損失を防ぐのに大きな役割を果たしている。開放型住宅を売りものとしているハウスメーカーも多くなっているが、空調の仕方を誤るとエネルギーの大きな損失になる。現実に施工業者の薦めで、一六畳のリビングを吹き抜けにしたお宅では、冬期間の暖房費に悩んでいる。最近床暖房を取り入れる住宅が増えているが、温水式の場合は大部分は化石燃料を熱源とし、COz排出の問題が残る。温水を使わない電気式は、電気料金が気になって、使用する部屋も限定されてしまう。

EZ042_L


気密性の基準

一九九二年の改正では、気密性の基準は定められていないが、昔の住宅に比べてアルミサッシや、洋室の多い大壁工法によるプラスターポードとビニールクロスの内装仕上げが大部分となって気密性は増している。気密性が高くなって、昔のような隙間風が入るような住宅はなくなり、化石燃料が安価に、しかも容易に手に入るようになって、室内の暖房温度は高めに設定され、室内の空気の汚れはひどい状態となった。断熱性が低いと、外気の冷たい温度が輻射(ふくしや) によって、室内の温度を低下させる作用が働き、燃焼温度を高めることになる。また、温かい空気は比重が軽いので上昇するため、床上と天井との温度差は大きくなる。床上で生活する習慣の我が国では、頭寒足熱とは反対に、頭熱足寒の状態で生活することが多いということになる。お金をかけても大規模なリフォームをしないで地震対策ができる場合もある。←いろいろな物件を見て知識を得よう。これを補う方法が火燵(こたつ) であり、一般には化石燃料との併用で使われることが多い。過去にオイルショックを経験したにも拘らず、その後安価で安定した供給体制が確立したこともあって、わが国では住宅内での移動可能な暖房の普及に拍車がかかることになった。化石燃料は無限に存在するわけではなく、これを燃焼することによってCO2の排出は避けられない。閉め切った室内での燃焼は、人体への影響は勿論のこと、空気中に拡散して地球温暖化を招く。省エネルギー基準の設定は、一般社会では正しく理解されず、便利さだけが先行して、環境問題や医療問題とは全くかけ離れた新建材の需要拡大に終わった感がある。省エネ基準は施工業者においても正しく理解されず、受注確得のための割増融資の説明と、複雑な流通の中でのルート確保を目的とした代理店の指導に利用されるばかりで、施主側の立場に立った住まい造りへの応用は等閑にされてきた。

EZ043_L


断熱

更に、一九九二年にこの基準が改正され、開口部、即ち熱損失の大きい窓や玄関ドアなどにも断熱性を持たせるように改正された。これによって、ペァガラスや二重サッシが普及し、断熱ドアも使われるようになった。住宅金融公庫融資においても、開口部断熱として割増し融資が追加されるようになった。このような経過の中で、従来の土壁に代わり、プラスターボードが開発され、普及することになった。これにより、外壁と内壁の間、約一○○ミリの隙間に五○ミリのグラスウールを施工する方法は、上の部分をステップルで止めるだけで、断熱材を入れただけの粗末な施工方法となった。また、施主側も断熱材を入れたことにより安心して、その効果には全く無関心であったと思う。湿気や結露の発生によって断熱材は水分を含み、その重さで垂れ下がってしまうと、断熱性は全くなくなってしまう。壁と同じように床にも断熱材が使われるようになったが、フローリングの下には四五センチピッチの根太垂木があり、この間に断熱材を入れていくものなので、長い間には垂れ下がってしまう。天井には天井板の上に断熱材が並べられたが、断熱に配慮した並べ方ではなく隙間だらけのものであった。その後改良されて、床には垂れ下がらないような固いものを入れ、天井には細かくした断熱材を吹き込む方法も多くなった。但しこの場合は、風によって断熱材の粒子が舞い上がり、呼吸によって体内に入る恐れがあるので、気をつけなければならない。地震列島日本では建物を建てる時、必ず地震を見越した設計をする。各種不動産知識は、←こちらをご覧ください。

EZ037_L


化石燃料の消費増大

住まいは、住まう人の意思が反映されたものでなければならないが、現実には豪華なカタログやテレビ、広告チラシなどの影響が大きく、どの住まいも個性のない器にすぎないと表現する人もいる。単に流行り言葉の羅列にすぎない宣伝文句に心を奪われて、外観だけを豪華にして、中身のない住宅を建ててしまう例があまりに多い。「北側」と「水回り」は気を付けましょう。←参考にここのサイトからいろいろな間取りを見てみましょう。施工業者は、特約店と称する建材屋からの情報に頼り、自ら進んで知識の取得に努めようとする姿勢に欠けている。ハウスメーカーのプランの模倣に満足する業者もいれば、フランチャイズに加盟して、同じようなものを造り続ける業者もいる。住む人の生涯を左右することになる住宅が、施工業者のペースで造られていることに、気づかなければ、「次世代省エネルギー基準」も正しく理解されずに終わってしまう。展示場などで、専門的な質問をしても返事が返ってこないのは、営業成績を上げるための手段としては、豊富な知識が邪魔なものと考えられ、マニュアルやセールストークから削除されているからだ。オイルショックを経験することにより、エネルギー問題が浮上し、節約のための基準が初めて、一九八○年に定められた。暖房エネルギーとしての化石燃料の節約は、隙間風を防ぐための構造や、住宅全体の断熱化を図ることによって、可能になると考えられてきた。

省エネルギー基準に基づいた住まい造りは、言うは易いが行なうは難し、で基準を作って魂なしの姿勢が施工業者側にはっきりと見ることができる。

EZ018_L