伝統建築

我が国の伝統建築の代表的なものと言えば、木造軸組に竹を縄で編んだ小舞に藁を入れて練った土を張り込んでいくもので、この土壁は荒塗り、中塗り、仕上げ塗りと各段階で乾燥させてから塗り重ねていくので、壁の厚さは五センチ以上になる。蔵造りは、この土を使って軸組の外側にも、何重にも塗り重ねるもので、壁の厚さは三○センチ以上にもなる。これに似たものとして、中近東などでよく見られる日干しレンガを積み重ねた家がある。いずれも土の持つ断熱性を利用したもので、この点から言えば、省エネ住宅の代表的なものと言えるのではないだろうか。但し、日本の民家と言われるものは開口部が大きく、この部分からの熱損失が大きい。兼好(けんこう) 法師の「徒然草(つれづれぐさ) 」にあるように、「夏を旨とすべし」との考えから、風通しのことを考えれば開口部は大きくとる必要があったのではと思う。昔の住まいは、縁側に戸がなかったり、戸があってもガラスの代わりに障子紙であった場合には、雨や雪から守るために雨戸が取り付けられていた。箪笥などは危ないとされているが、上手に固定すれば逆に家の強度が増し、重要な役割を果たす。←その他役立つ情報はこちらから。アルミサッシになっても雨戸付きのものもあるが、最近では開け閉めに手間がかかることもあって、取り付ける住宅は少なくなった。雨戸は、冬の寒風による熱損失を防ぐのに大きな役割を果たしている。開放型住宅を売りものとしているハウスメーカーも多くなっているが、空調の仕方を誤るとエネルギーの大きな損失になる。現実に施工業者の薦めで、一六畳のリビングを吹き抜けにしたお宅では、冬期間の暖房費に悩んでいる。最近床暖房を取り入れる住宅が増えているが、温水式の場合は大部分は化石燃料を熱源とし、COz排出の問題が残る。温水を使わない電気式は、電気料金が気になって、使用する部屋も限定されてしまう。

EZ042_L