居住者特性とその変化

女性世帯や子持ち世帯に対す
る入居差別の実態を明らかにするだけではなく,大都市内部において民間賃貸
住宅市場の中で住居を見つけることが困難な母子世帯や高齢者世帯の住居問題
に発展させて,ジェンダーの観点や高齢者問題との関係から住宅問題にかかわ
る制度的問題や都市構造や産業構造の変化と,それらの問題とを関連させて考
察することは,今後の地理学的ハウジング研究に求められる。

今後の地理学の課題として,第1に,従来住宅の種類ごとにサブマーケット
別に研究対象とする事から発展させ,都市内における住宅市場を一括して取り
あげることにより,都市構造の変動全体に関わる住宅市場の動向を総合的に把
握することである。第2に,都市の内部システム研究のなかに居住およびハウ
ジング研究を位置づけ,例えば郊外住宅団地の開発が都市内におけるそのほか
の住宅市場とどのように関連性をもつのか,開発主体がどのような意図のもと
に開発行為を行い,都市住民の居住地選好がどのようになっているのかなど,
都市の内部システムを構成する諸要素の関連性からアプローチすることが必要
と考える。

以上の議論をふまえ,以下の本論では,具体的研究事例を通して住宅のサブ
マーケットごとに居住者特性とその変化を明らかにし,現代の都市がいかに民
間と公的な住宅供給によって形作られたり変容したりしているのかを,居住者
の側面から解き明かしてみたいと考える。

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注)
1)社会的剥奪とは,建造物環境の物理的荒廃とともに低層の居住者が流入すること
により,社会階層の低下が引き起こされる。そのような居住者の社会的な下方への
変化による社会的荒廃が進行することを示す。
2)平山(1993)によると,アフォーダプル住宅とは適切な負担で居住可能な良質の住
宅のことをさす。

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